FIM〇〇点?
病院での退院前カンファレンスや退院時報告書で「FIM〇〇点」という内容を見聞きすることがあると思います。
でも、「FIM〇〇点」がどういった状況を表しているのか分かりづらくありませんか?
今回は、「FIM〇〇点」で、利用者さんの状況がパッとイメージすることが出来るように、FIMの中身を簡単にご紹介していきたいと思います。
FIMとは
FIMとは「Functional Independence Measure(機能的自立度評価法)」の略となります。
1980年代にアメリカで開発されて日本に導入されたADL(日常生活能力)評価方法になります。
引用文献:厚生労働省
「運動ADL13項目」と「認知ADL5項目」を、各7点(完全自立)~1点(全介助)の7段階で評価していきます(合計126点~18点)
☞ADLとは
ADLとは「activities of daily living(日常生活動作)」の略になります。食事、更衣、入浴、移動など生活上で欠かすことのできない基本的動作を指します。
しているADLを評価
FIMは「しているADL」を評価しています。「しているADL」とは言葉の通り、日常生活で普段から行っているADL動作を指します。
「しているADL」の対で「できるADL」というものがあります。
「できるADL」とは、最大限努力すれば行うことができるADLと言えます。
入院中で例えると、リハビリ訓練室で何とか頑張って歩行器で歩いているのが「できるADL」。
リハビリが終わって、病棟では車椅子で移動しているのが「しているADL」と言えます。
☞「しているADL」の評価方法とは?
「はい、今から歩いてみて下さい」では評価できません。普段の生活を観察する中から評価を行う必要があります。
項目ごとの点数について
点数によって、各項目のADL自立度が決まることは冒頭で説明したとおりですが、私個人は大まかな目安があります。
大まかな目安とは、具体的には「5点と4点」にあります。
5点以上の場合には身体に触れるような介助は必要ありません。つまり、基本的には一人で行うことが出来ると判断します。
4点以下の場合には何等かの介助が必要となります。つまり、基本的には一人で行うことは出来ないと判断します。
まず最初は「5点と4点」について覚えてみるのもおススメです。
FIMの点数がもつ意味
FIMの合計点がもつ意味に関しては、様々な研究報告が出されています。以下に幾つかの報告をご紹介します。
運動項目総得点 グループ 80点台後半 屋外歩行自立群 80点台前半 屋内歩行自立群 70点台 セルフケア自立群 50~60点台 半介助群 50点未満 全介助群
階段・清拭・移乗(浴槽)を除くFIM運動項目において,FIM得点6点以上か5点以下であるかが退院先の決定に影響を及ぼしていると推測される.
退院時FIM運動項目合計点が39点以下の場合,超高齢脳卒中患者の自宅退院は困難となる可能性がある.
今回ご紹介した内容はごく一部ですが、多くの研究報告に目を通しておくと、FIM点数から様々な情報を読み取ることが出来ます。
FIMのまとめ
- 「運動ADL」13項目と「認知ADL」5項目で構成
- 各項目は7点(完全自立)~1点(全介助)の7段階評価
- 合計点は126点~18点
- 「しているADL」を評価
- 5点と4点のラインが見極めのポイント
- FIM点数に関する研究報告に注目すると様々な情報が読み取れる
☞当施設では、FIMの評価・解釈に精通したリハビリスタッフが多数在籍しています。体験・ご利用希望の方はコチラまでご相談下さい。
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